レポート

乱獲でなくなるような、ヤワなやつじゃないんです − 1月号で特集した赤間さんを再訪

東北食べる通信2018年1月号で特集した、宮城県塩竈市でアカモクを採る、赤間俊介さんを再訪しました。今回お送りしたアカモクが、人生で「初めまして」の出会いだった読者も多かったのではないでしょうか。美味しくて、身体に良くて、面白い海藻ですが、その注目度が高いあまりに乱獲も問題になっているようです。

成影沙紀文=成影沙紀|2018年02月18日

人気に乗じて乱獲されるアカモク

東北食べる通信2018年1月号で特集した宮城県塩釜市のアカモク漁師・赤間俊介さんを再訪しました。昨年、テレビの人気番組で特集されたことがキッカケで爆発的な人気を博しているアカモクですが、それによる問題もある、と赤間さんは語ります。「アカモクは生殖器が十分成長すると粘りが強くなると食べ頃なんですが、一方であまりにも成長しすぎると色が褪せたり、海水温の上昇とともに雑物(別の海藻やプランクトンなど)も絡みつくから食感が悪くなるんです。しかも難しいのは、湾内のいろんな場所に点在しているので、その旬は個体ごとに違うんです。それを十把一からげに採るんではなくて、それぞれの旬を見極めて出すから、ちゃんと美味しいアカモクを食べてもらえるんです」。

赤間さんによると、今のアカモクブームに乗って、色も悪く、粘りもないアカモクを秘密裏に収穫し、県外のメーカーに販売するなどの動きもあるそうです。「今、ブームに乗って品質の悪いアカモクを出すと、アカモク自体のイメージが下がってしまう。」と赤間さんは現状を憂慮していました。「でも、乱獲でなくなってしまうようなヤワなやつじゃないんです。漁師が把握できないぐらいいろんなところにいるし、繁殖力も強い。ピンク色のマグロが違法に捕られた子どものマグロであるように、色が悪くて粘らないアカモクはみなさんには買わないようにして欲しいですね」。

人気だというだけで乱獲されてしまうアカモク。
そんな中でもアカモクという生き物の強さを尊敬する赤間さん。
消費者の声が一番大きいと言われるこの社会において、何を選ぶか、が海をつくっているんだなと再認識しました。

取り上げられたことをきっかけに、社内にもいいことが

「東北食べる通信に特集してもらって良かったことの一つに、社員のみんなにも自社の歴史とか、父や僕が考えて来たことを客観的に伝えられたことがあります」。赤間さんが社長を務め、アカモクやわかめ、藻塩の採取〜加工販売まで行う「株式会社シーフーズあかま」には20人ほどの従業員の方がいます。同じ社内でも、どの人が、どんな現場でアカモクを採っているのか、それがお客様にどう届くのかを日々の業務の中でなかなか伝えきれていないと言います。今回、東北食べる通信で特集させていただいたことにより、それがわかりやすい形でみなさんに読んでもらえたとのことでした。
また、読者の皆さんからは、「叩いたアカモクしか見たことがなかったから、丸ごとを見られてびっくり!!」「食べたことなかったけど、美味しくて毎日食べたい!」と嬉しい声をいただきました。

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成影沙紀

成影沙紀

京都府宇治市出身。大学時代に東北食べる通信・編集長の高橋に出会い、彼が語る農家漁師の姿に惚れ込み、そのまま購読。1年の東京での武者修行を終え、夢だった東北食べる通信のスタッフになる。新しい生産者に会いに行く特攻隊長。